こんにちは!Taiです!(@tantakataitai)
2022年になり、ベトナム語に本格的に力を入れ始めたのですがベトナム語が漢字文化圏ということで「漢越語」や「チュノム」などの概念を理解することでベトナム語単語をより直感的に理解できるようになりました。
そんなベトナム語を学習する上で助けとなる「チュノム」に関して本記事では説明していきたいと思います。
▼漢越語の学習に関する記事はこちら
チュノムとは?
歴史
簡単に言うと、10世紀頃からベトナム語を表記するために使用されていた文字です。
ベトナム語の60-70%は漢字語で記すことができるのですが、残りの文字は対応文字がないので漢字を応用した独自文字である「チュノム」を使用しています。
チュノムは音の近い文字(表音文字)と意味を表す文字(表意文字)をあわせた構造になっています。
例を見てみましょう。
上記はベトナム語で”Hôm Nay”と発音し、「今日」という意味になります。
表音文字、表意文字は以下のようになります。
表音文字:歆、尼
表意文字:日、今
表音文字の歆は「ホン/キン/シン/heum」などと読むことができ、尼は「二」などと発音されます。
そんなチュノムですが、は高度な漢字の知識を必要としたためにカトリック教会や知識人の間にしか普及しませんでした。
その後、17世紀にカトリックの宣教師アレクサンドル・ドゥ・ロードが考案したラテン文字表記「チュ・クオック・グー(Chữ Quốc ngữ / 國語)」がもたらされます。
1919年にフランス総督府によるチュ・クオック・グー(國語)の推進により徐々に漢字とチュノムの使用頻度が減少し、
1945年のベトナム民主共和国の成立によって、チュ・クオック・グーが国字に採択されたことで漢字やチュノムは一般には使用されなくなりました。
補足
現在チュノムは中国の広西自治区東興市にいる京族(ジン族)によって使用されています。
ジン族はベトナム語の方言の一種であるジン語を使用し、表記に漢字とチュノムを使用しています。
bilibiliで京族に関する以下のような動画がありました。
以下の動画ではジン族が話されています。
チュノムを学ぶ
チュノムは現在ベトナム国内では使用されていませんが、ベトナム語をより深く学習するために役立ちます。
Chunom.orgというサイトでチュノムを学習することができ、Nôm Converterを使用するとチュ・クオック・グーとチュノムを変換することができます。
上記に「私はベトナム語を勉強したい」というベトナム語を打ち込むことで対応するチュノムを得ることができました。
どうでしょうか?直感的に理解できる気がしませんか・?
ベトナム語の単語がどうしても 覚えられない・・・と息詰まったときに利用するのがとてもおすすめです。
最後に
ベトナム語は勉強すればするほど奥が深く、歴史的に関係が深い中国の影響もあり中国語の発音や語彙がベトナム語学習にとても役立っています。
漢字文化圏の言語(中国大陸、台湾、ベトナム、朝鮮半島、日本列島に存在する言語)を学習されている方は各言語の相互の繋がりを意識しながら学習するととても楽しく効率的に学習できると思います。
より深く学習したい方には以下の本がおすすめです。
当記事が参考になれば幸いです。
このブログでは他の言語の記事もあるので以下も併せてご覧ください。
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